登録品種の栽培に当たって
はじめに
この度の種苗法改正に当たり 、種苗法の説明と今回の主な改正点 ・品種登録制度 ・登録品種の栽培と販売に当たっての注意事項について説明致します 。
(1)種苗法について
この法律は 、『農産種苗法』(昭和22年法律115号)が 、昭和53年に大幅改正され品種登録制度が創設され法律名も『種苗法』(昭和53年法律89号)と改められ運用されて参りましたが 、この度全面改正をされて平成10年12月24日より改正法(平成10年法律83号)が施行されます 。
(2)品種登録の出願と仮保護について
〈1〉品種登録の出願はその品種を育成した者に限られる 。
〈2〉品種登録の有効期限は菊の場合20年間です 。(改正前は15年間であった)
〈3〉出願後 、審査に数年を要しますが 、この間の育成者の権利も保護されています 。
この間に権利の侵害を受けた場合 、出願者は登録後に補償金の支払いを請求できる 。
(3)育成者権
〈1〉品種登録を受けると(出願を受理されたときから)育成者に『育成者権』が発生する 。
〈2〉育成者権の存続期間は品種登録の日から20年である 。
〈3〉育成者は 、 「登録品種及び登録品種と明確に区別されない品種 」 「従属品種 」 「交雑品 」種の利用を占有できる 。
注 『利用を占有する』事により 、育成者権を持つ者(育成者権者)の許諾を得ないで種苗の生産 ・調整 ・譲渡 ・譲渡の申し出 ・輸出 ・輸入 ・保管を行うことは禁じられます 。
(4)従属品種について
〈1〉『従属品種』とは登録品種の『変異体の選抜』『戻し交配』『遺伝子組み換え』等の方法で登録
品種のわずかな特性のみを変えて育成された品種を言う 。
〈2〉本来 、育種目的であれば登録品種を自由に利用できるが 、育成された品種が『従属品種』に該当する場合は元の登録品種の育成者の権利が及ぶ 。
「登録品種の枝変わり品種 」 「登録品種を親とした交雑品種 」 「登録品種の遺伝子組み換え品種 」の内 、元の登録品種の性質がわずかに変わっているだけの品種には 、元の登録品種の育成者の権利が及ぶ 。 (5)品種登録の効力(栽培者が守らなければならないこと)
〈1〉購入した登録品種は 、いかなる理由でも他の人に譲り渡してはいけない 。しかし 、生産した切り花は自由に販売できる 。又自分で作付けする苗は毎年自由に増殖できる 。
〈2〉登録品種の切り花 ・鉢物を購入し 、それから苗を増殖して切り花や鉢物を生産して販売してはならない 。
また 、正規に栽培している農家の圃場から持ち帰り 、切り花生産や鉢物の生産をし販売することも当然禁じられている 、
〈3〉登録品種の切り花を販売するとき 、その品種以
外の名称を使用してはならない 。
登録品種の名称は 、該当品種以外には使用してはならない 。
(6)権利侵害に対する措置
〈1〉育成者権者は 、故意 ・過失に拘わらず育成権を侵害した者 、その恐れの有る者に対し 、侵害の停止又は予防 、侵害行為に供した物の廃棄などを請求できる 。
〈2〉育成者権者は損害賠償を請求する場合 、侵害者が侵害行為により利益を得ている場合の利益の額を損害の額と推定し損害請求することができる 。
この金額が上限ではなく 、この金額を越える額の請求ができる 。
〈3〉他人の育成者権を侵害した者は 、その侵害の行為について過失があったものと推定する 。
このような法律が有ることを知らなかったとか 、栽培した品種が登録品種であることを知らなかったとか 、と言うことは免責の理由にならない 。
〈4〉育成者権者は 、種苗の段階で権利行使の機会がなかった場合 、収穫物の譲渡 ・輸出 ・輸入の段階で権利を行使できる 。
(7)経過措置
〈1〉改正法の施行前に出願され 、登録未了の品種は改正法の規定が適用される 。
〈2〉改正法施行前に登録された品種は 、品種登録の有効期間は延長されないが 、それ以外の規定は改正法が適用される 。
(8)罰則(2003年種苗法一部改正)
登録品種の種苗について育成者権を侵害した者は刑事罰(3年以下の懲役又は 300万円以下の罰金、法人の場合は1億円以下の罰金)が課されます。
(9)その他
〈1〉弊社は登録品種を『鉢物』としての利用は別契約にしておりますので 、切り花契約では利用できません 。
〈2〉登録品種の購入に際しては 、以上のことをご承知して頂くと同時に 、別紙の『登録品種栽培許諾契約書』に署名 ・捺印をして頂きます 。
以上のように改正された種苗法は育成者権が大幅に拡大強化されそれに伴い法的な措置も拡大強化されております 。
栽培家の皆様には 、種苗法を遵守され秩序有る正規の栽培を行われるようお願い致します 。
今後弊社作出の登録品種(登録申請中の品種も含む)を無許諾で栽培された場合 、種苗法に規定するしかるべき法的な手段 、または損害賠償請求 ・栽培差し止め請求等の措置を法律にしたがい厳正に取ることを申し添えておきます 。
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